ブラックサンタクロース


莉音が、風呂場へと向かう。


「ねえ、あの子泊まるんだ?」

「明日は学校がないからな」

「だからってキミがかまってやるの? 過保護だねぇ」

「なにしにきたんだよ、こんなとこまで」

「X」

「…………」

「厄介なヤツだよね。あんまり縄張り荒らされたくはないもんだけど」


縄張りってほど硬いものはないが、俺らは俺らなりにバラけて住んでいる。


Xのようなヤツは最近までいなかった。

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