ブラックサンタクロース


いったいどこからやって来やがったのか。


「ちゃーんと仕事してね? 恋人ごっこは、ほどほどにして」

「誰が恋人ごっこなんてするかよ」

「税金泥棒っていわれるよ?」

「うるせえ。……お前払ってんのかよ」

「もちろん」

「あっそ」

「前に見たときより仲良しだね。あの子がますます自分に惚れてるって自覚あるんでしょ?」

「…………」

「よく我慢できるね? あんなに美味しそうなエサ目の前に」


アマリの言葉にゾクリとし、考えたくないことを考えてしまいそうになる。


「莉音はエサじゃねぇよ」

「なにがキミを制御してるの。愛の力とでも言うわけ?」

「ンなことより、てめぇはXを見つけて何しようと企んでんだ」

「えー?」

「とぼけんなよ。俺に情報提供元求めても無駄だ。部外者にはなにも教えらんねーんだから」

「キミは本当に優等生くんだねぇ、ジェイド」

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