ブラックサンタクロース
アマリから受け取ったのは、赤い封筒だった。
赤は赤でも、黒みがかった赤一色なのが少し気味が悪い。
宛名には
『Sプロ AMALI宛』と、書かれている。
差出人の表記はナシ。
封筒は隅をキレイにカットしてあり、そこから取り出したのは一枚の便箋。
二つ折りにされて入っていたそれを開く。
【 アマリはいつ生まれたの? 】
「これ一枚だけ?」
「うん。その中にはね」
「この中には……って。まだあるのか」
「それが一通目で。二通目はこれ」
同じように赤い封筒。中には一枚の便箋。
【 こっちを見て 】
「……他には?」
すると、ドサッと机の上に置かれたのは……
大量の赤い封筒だった。
「これだけあると。不気味だな」
それは、まるで、血溜まりのようだった。
「毎日が退屈。君になりたい。君が食べたい。いつもそんな一言だけ送ってくる」
「ストーカーかよ。これ預かっていいか?」
「あげるよ。そんな気持ち悪いもの」