いとしい君に、一途な求婚~次期社長の甘い囁き~
大きな噴水のある涼しい公園のベンチに座り昼食を済ませると、まだ頭の上にある太陽の熱を感じながら理想の生地を探し歩く。
ふと私のスマホが震えたのを感じ、トートバッグから取り出せば、いち君からのメッセージがあった。
【これから昼休憩です。データありがとう。あとでみんなの意見も聞いて、夕方にはメールを送り返すのでよろしくお願いします】
「あれ、仕事の話だけだ」
というか、いつもは仕事の話は会社のアドレスに送られてくる。
スマホのメッセージに仕事の話をしてくるのは珍しいなと思った矢先、すぐにまた彼からのメッセージがプラスされた。
【午後も頑張ろう。土曜日が待ち遠しいです】
早く会いたいという彼の想いに、私はにやけそうになるのを防ぐため唇を軽く引き結ぶ。
いち君と恋人という関係になってからまだ一週間も経っていない。
昨日の夜は少し電話で話したけど、お互いに忙しくて十分も話していなかった。
というか、いち君が『これ以上話してたら会いたくなるから』と言って切り上げたのもある。
社長は自社の為に私といち君の結婚を望んでいるようだ。
しかも、あれは多分本気で期待してる。
でも、結婚するかどうか。
それはまだこれから決めることだ。