いとしい君に、一途な求婚~次期社長の甘い囁き~
前回の花。
ブーゲンビリアの花言葉については、どこまで本気なのかもわからないし、やはり少し恥ずかしいので『調べられてない』と、感謝の言葉と共にメールで返信した。
そしてその後すぐ、クレマチスの花言葉をインターネットで検索して調べたところ、閲覧してみた花言葉のサイトには【精神の美・旅人の喜び・策略】の三つ。
精神と旅人の二つはメッセージとしては微妙だ。
残るは策略。
デートの時のことを思い出すと、これしかない気がして。
楽しみにしててなんて言ってたけど、一体何をするつもりなのかと、心の片隅に不安を抱えつつ過ごすこと五日。
昼休憩も終わり、美味しいランチによる満腹感と満足感から生まれる眠気と闘いつつ、パソコンとにらめっこしていた午後のこと。
答え合わせの時間は、突然やってきた。
「いやいや、これはまたとんでもない美丈夫で!」
爽やかな笑顔を携えながら現れたのだ。
「恐れ入ります。金子(かねこ)社長も、そのお召し物と合わせたメガネが素敵ですね。よくお似合いです」
「おお! 気づいてくれましたか! 実はこれ、意識してまして。東條さん、さすがですな」
上品な光沢のあるスーツをバッチリと着こなした、お仕事モードのいち君が、私の職場に。