いとしい君に、一途な求婚~次期社長の甘い囁き~
私らしく輝く
大好きな彼からのプロポーズ。
それは、多くの女性が憧れるシチュエーション。
例えば、ホテルのスイートルームで夜景を眺めながら。
例えば、バカンス先の南の島で、波音をBGMに。
例えば、何でもない日に、さり気なく、だとか。
人によって様々だけど、共通するのはやはり幸福感だろう。
幸福を約束されるプロポーズ。
ゴージャスで、可愛らしくて、魅力的な唇。
職場から帰宅後も、いち君から渡された資料を元に、頭に浮かぶイメージを文字や絵に起こしていく。
ペンを動かし、悩み、手を止めて。
何気なく視線を動かした先には、いち君から送られた赤い花びらのゼラニウム。
鮮やかなその花を数秒見つめた後、私は白い机の引き出しから手紙を取り出し開く。