12月、想いは叶わないかもしれない。

「朝比奈さん!」


休み時間になるとクラスのほとんどが朝比奈さんに喋りに来た。


「下の名前なんて言うの?」

「咲璃」

「え、外国人みたいな名前!朝比奈、じゃなくて咲璃にぴったりな名前じゃん!」

「そう?ありがとう!あなたは?」

「瑞葉(みずは)と、夏衣(かえ)とれいなと鈴音(すずね)と穂乃美(ほのみ)!うちら仲いいんだけど咲璃もうちらのグループに入らない?」


寒気がする。

こいつらはわたしが嫌いなグループ。

クラスで自分たちが1番上だと思ってイキって見てるだけで腹が立つ。

そんなグループに勧誘されて笑ってる朝比奈さんもありえない。


「うん!ありがとう!」

「やった!」


ほんとにありえない、なにがうん!ありがとう?意味がわかんない。


「咲璃って彼氏いないの?」


クラスの男子がざわついた。

やっぱり男子って面食いだからね。

煌陽はたぶん違うよね。

そう思って煌陽を見るとガタッと音を立てて教室出ていったいった。


「いないよ」


それと同時に朝比奈さんは答えた。
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