12月、想いは叶わないかもしれない。
「、、、家の事情だよ」
そう朝比奈さんは答えたけどみんな思ったと思う。
なんか隠してるって。
けどみんな空気を読むのは得意だから、
「なるほどね!」
口を揃えて言った。
なにを隠しているのかは知らないけど結構重そうな事情。
顔がめっちゃ暗くなったから。
余計空気が悪くなって波多野が焦っていたら丁度チャイムがなった。
「きりーつ!」
波多野が号令を掛けてみんな立ち上がる。
なんで?煌陽が帰ってこない。
「先生、煌陽が帰ってきてないです」
「どこに行ったんだ?」
「休み時間にどっか行ったっきり、、、分からないです」
本当にどこに行ったの??
見た目はチャラくても根は真面目で授業なんてサボったことのないような人なのに、しかもテスト前だし。
何かあった?
「詩葉ちゃん。自習って寝てもいいの?」
隣からふと声が聞こえた。
「テスト前なのにいいの?」
「あー、テスト受けないから」
「、、、そーなんだ、ならいいんじゃないかな?」
「やった!!ありがとう!」
テスト受けないって、範囲が違うから?
てか、朝比奈さんってどこの高校に通っていたんだろう。
うちの高校ってまあまあ頭いい方だから転校して入ってこれるってことは頭がいいのか余程お金持ちってことだよね??
何者なんだろう。
てか、煌陽はいつ帰ってくるの。
どこでサボってるんだほう、わたしもそこに行きたい。