12月、想いは叶わないかもしれない。

「煌陽!!」

「うお。びっくりした、詩葉どーした??」

「どこ行ってたの?心配した」

「ごめんごめん、ちょいトイレ長引いて」

「、、、そ」


授業終わりの5分前、煌陽は教室に戻ってきた。

トイレ長引いてって、45分も??

絶対嘘。

なにかあった、これは。

けど、これに首を突っ込んだらわたしは邪魔者。

聞きたいけど聞けない、わたしたちには友だちという壁があるから。

これが恋人同士ならなんでも言えたのかな、、、。


「詩葉、ルーズリーフ一枚ちょうだい」

「ん?はい」

「ありがとう」


なにか書くのかな?

もしかしてここでは言えないことがあるから筆談でわたしに??

、、、。

なんか真剣に書いてる、なにを書いてるんだろう。

あ、ペンが止まった。

、、、、、、え??


「これ、咲璃の机の中に入れといて」


煌陽はわたしの耳元でほかの人に聞こえないようにそう言った。

わたしはなんの動揺もせずに机の中に入れた。


「ありがとう」


わたしはなにか嫌な予感がした。

煌陽が今日転校してきてまだ喋ったこともない朝比奈さんのことを下の名前で呼ぶところ。

そしてそれを言った時の表情。

いいや、違うよね、煌陽は女子の名前みんな下の名前だし、、、。

どうゆうこと?
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