恩返しは溺甘同居で!?~ハプニングにご注意を!!
夕飯を食べ終えて食器を下げながら、私は大事なことを思い出した。
椅子に座ったままテーブルを拭いている修平さんの隣に行った。
「あの、修平さん…」
「なに?」
「佐倉さんから伝言を言付かっているの。」
「伝言?いつもは何か必要なことがあればメールで連絡がくるんだけどな。」
そう言って首をひねる彼に、私はその伝言を告げる。
「『お誕生日おめでとうございます。今週木曜日にはお伺いしませんので、伝言で失礼いたします。』て言付かったの…」
なぜだか理由は分からないけど、なんとなく言いにくくて尻すぼみになってしまう。
伝言を聞いた修平さんは、瞬き一回分だけ間を置いてから、「ああ…」と言って苦笑いを浮かべた。
「そんなこと、今更気にする歳でもないのにな。」
私から目線を外した彼は、ちょっと自嘲気味な笑いを浮かべている。
それを見て、私の心がまたぎゅうっとしぼられたように苦しくなった。
苦いものでも噛んでしまったみたいな顔をして笑う修平さん。
なんでそんな顔をするのか分からない。
でも……