恩返しは溺甘同居で!?~ハプニングにご注意を!!
「ななななっ、なんでっ!」
その手紙を読んだだけなのに、修平さんの甘い声と悪戯っぽい瞳が浮かんでくる。
「結局また修平さんに運ばれたの…全然気付かなかった…。」
文面からは彼も同じベッドに寝たことが窺える。
運ばれた上に、一緒に寝ていたのにも気付かないなんて、私ってどんだけ爆睡していたんだろう…
全然記憶にないことが、余計に恥ずかしくて居た堪れない。
体がプルプルと震え、顔は真っ赤になっていく。
その上、『勝手に運ぶ』とまで宣言されたら、もうどうしようもない。
私は今夜から彼の部屋のベッドに自分で入らないといけないことを思って、大きくため息をついた。
心臓が忙しなく動いて気持ちが落ち着かない。けれども朝の一分一秒は惜しくて、私は急いで朝食を済ませ、アンジュとの散歩に行ってから、図書館へと出勤した。