恩返しは溺甘同居で!?~ハプニングにご注意を!!


 図書館で一緒の勤務になった千紗子さんに、お付き合いを始めたことを報告すると、千紗子さんはその綺麗な顔で優しげに微笑んで「良かったわね。」と言ってくれた。

 それから今の現状を少しだけ報告すると、「あらあら…瀧沢さんも大変ね。」と同情的な瞳で言った。

 「そうなんですよ、お仕事のトラブルが早く解決してくれるといいんですけど…あんまり寝てないみたいですし。」

 彼の体調がとにかく心配で、そうぼやくと、千紗子さんは「くすくすっ」と笑った。

 「確かにそれも大変ではあると思うけど、瀧沢さんがもっと大変なのは違うことじゃないかしら?」

 「え?まだもっと大変なことがあるんですかっ!?どうしよう…私何にも手伝ってあげられない…」

 彼が仕事以上に苦労していることがあるなんて、思ってもみなかった。
 彼への心配を隠せない私を見た千紗子さんが、意味深な笑顔を見せる。

 「うふふふふ。瀧沢さんも大変ね。杏ちゃんは可愛すぎるわ。」

 「え??」

 「大丈夫よ、杏ちゃん。あなたはとりあえず瀧沢さんのお願いを聞いて、彼の部屋で寝るのがいいと思うわよ。瀧沢さんはとても優しい男性みたいね。だから杏ちゃんも好きになったんじゃないの?」

 「え?……は、はい。」

 「まあ、赤くなって!可愛いすぎるわ、杏ちゃん。」

 突然私をキュッと抱きしめた千紗子さんは、一瞬で離れてからまた「うふふふっ」と笑って、「早くトラブルが解決するといいわね。」と言って、優しく私の頭を撫でてくれた。


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