恩返しは溺甘同居で!?~ハプニングにご注意を!!
彼が私の膝裏に片手を回して、素早く持ち上げた。
「えっ!?」
何度目かの『お姫様だっこ』に、頭が真っ白になる。私が状況を把握する前に、修平さんはスタスタとベッドルームの方へ歩いて行った。
ベッドに私を降ろした途端、彼がのしかかってくる。
「ちょ、ちょっと待ってっ!」
両手を彼の胸の前に押し当てて、『マッタ』をかける。
「なんで?」
と首を傾げ、『こうするのが当たり前』という顔の彼は、『どうして止めるの?』と言いたそうな不満げな表情を浮かべて私を見下ろしている。
すぐ目の前にある瞳は、妖しげな光を湛え、今にも喰らいつきそうなほどの欲情がはっきりと浮かんでいる。
「あ、あの、だって、」
「だって?」
返答如何では、今すぐ襲いかかってくる勢いの彼に、私は叫んだ。
「一日働いてお腹空いたし、汗かいたからお風呂にも入りたい!!ルームサービス、食べさせて!!!」
ありのままの訴えが部屋に響く。
静けさが二人の間に降りた。
と、その時。
―――ピンポーン―――
静寂を破るように、呼び鈴が鳴った。