恩返しは溺甘同居で!?~ハプニングにご注意を!!
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「ねえ、杏奈?」
「は、はいっ。」
浴槽の中で私を後ろから抱え込むようにして座っている修平さんが何か言うだけで、胸がドキンとして、挙動不審になってしまう。とはいえ、体は一ミリも動かせないくらいにガチガチに固まっているので、動くのは口だけなんだけど。
「俺、隆弘さんみたいにカッコよくは出来ないかもしれないけど、杏奈のこと絶対に守るから。」
「修平さん……」
「だから、もし何かあったら、俺に一番に言って欲しい。杏奈にいつでも頼ってほしいんだ。」
「……うん。修平さんに何でも言うよ。」
前を向いたままコクンと頷くと、彼が私の後頭部に口づけた。そして私の体をそっと自分の方に向けて、今度は唇を優しく塞ぐ。
「杏奈、大好きだよ。」
私の顔を彼の両手が包んで、何度も確かめるように角度を変えて重ねあう。彼の舌が私の唇を割って入ってくると、お風呂の中に響く口づけの音が生々しくて恥ずかしすぎて、顔が熱くなる。
私の顔を包んでいる手が、段々と背中に回る。湯船の中を進むその手が、あちこちを撫でると、体がピクリと反応する。
絡めた舌を一旦引き上げて、ちゅっちゅっと啄ばむように私の唇を吸った後、そのまま私の喉元に吸い付く。湯船の中の彼の手が、私の胸の膨らみを撫でると、「あっ」と甘い声が漏れた。
低めの温度の湯船でも、ずっと浸かっているからか、頭がクラクラと逆上せたようになってきた。
「もう上がる?」
私の鎖骨に「ちゅっ」と吸い付いた後、彼がそう聞いた。
「う、うん…じゃあ、」
『上がるからあっちを向いて』と言おうとした時、修平さんが私を抱えて湯船から立ち上がった。