恩返しは溺甘同居で!?~ハプニングにご注意を!!
 「しゅ、修平さん!」

 「おはよう、杏奈。随分早起きしたんだね。おにぎりすごく美味しそうだ。」

 ニコニコと嬉しそうに言う彼は朝から爽やかで、早朝なのに眠たそうでもない。

 「おはよう、修平さん。おにぎりはお昼用に作ったの。お味噌汁も多めに作っておいたから、それも良かったら。」

 「ありがとう、助かるよ。」

 彼の手が私の頭を数回撫でる。
 ドキン、と心臓が跳ねて顔が熱くなるのを感じた。

 「わっ、私のお昼ごはんの分のついでだから。おかずとか全然無くて申し訳ないくらいだけどっ」

 朝から赤くなってしまった顔を見られたくなくて、彼に背を向けてコンロの方に行く。

 「用意して貰えただけで十分。すごく嬉しい。」

 「なら、良かった…」

 ドキドキとうるさい心臓の音をなんとか宥めようと、無駄に味噌汁をお玉でくるくるとかき混ぜた。
 
 ん?私何か忘れてない??

 そう思った時

 「杏奈、何か焦げ臭いよ…」
 
 修平さんの問いかけに「あ~~っ!!」と叫んだ。
 慌ててグリルを開けると、微妙に焦げた塩鮭が。

 「やだぁ~忘れてたぁ~~!!」

 初っ端から失敗して嘆く私に「クスっ」と笑った修平さんが、

 「大丈夫。食べれるよ。」

 そう言って後ろから私の頭をポンポンと軽く叩くから、また私の心臓は忙しく動き始めた。
 
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