Pretend♡lover
「今日のホームルームでは委員会を決めたいと思う。強制ではないが、積極的に参加してくれるとありがたいな。」
「どの委員会もできれば男女1名ずつやってほしい。それじゃあ、クラス委員から決めていこうか。」
「「はーい!藤原くんがいいと思いまーす!」」
クラス中が隼人を推薦する。
「おお。藤原がいいならこれで決まるけど…どうだ?」
「え、、、むしろみんなが俺でいいなら全然やります。推薦してもらえるなんて嬉しいことなので。」
「「キャーカッコイイ!」」
「「もう決まりね!」」
もう隼人が何を言っても何をしても女の子達は喜ぶ。
「よし、じゃあ次は女子だな。女子は推薦や立候補はあるかな?」
「はい。」
奏が一番に手を挙げた。
「お?青木やるのか!」
「いえ、違います。私ではなく。山下さんを推薦したいです。」
「え!?ちょっと奏!?」
梓はいきなりの推薦にビックリした。
「山下さんは、1年の時に環境美化委員と図書委員を兼任してました。それだけでなくクラス委員のお手伝いなどもして、常にみんなのことを考えて生活していました。そんな前向きで努力家な姿がクラス委員に最適だと考えました。」
「おう、100点満点な推薦だな。そしたら山下の意向を聞いて判断しよう。」
奏の説得力は思わず拍手をしてしまいそうになるほどだった。
「え、あの、わたし…あまり自信が…」
人前に出るのは少し苦手な梓。そんな自分がクラスのリーダー的な存在になれるのかと戸惑ってしまう。
「大丈夫です!俺は去年もやっているし、なにか不安なことがあるならしっかりサポートできるよ。友達がこんなに素敵な理由で推薦してくれてるんだから、きっと山下さんはしっかりお仕事出来ると思うよ。」
隼人が背中を押すように梓に言う。
「え…」
隼人からそんなことを言われて照れてしまい、ますます戸惑ってしまう。
もう一度奏を見ると、奏はウインクをして返してきた。
そこで奏が推薦してくれた本当の意味を理解した。
「あ!…あの、わたし、頑張ります!やります!」
「お!いいね!そしたら、クラス委員は藤原と山下にお願いします!じゃあ!次は…」