Pretend♡lover
「で、どうしてそんなおかしな展開になってるわけ?」
やれやれといった感じで奏が問いただす。
「いや、この間好きな人がいるって言われたんだよ。それで、こいつ恋愛経験無いんだよ。だから…」
「だから裕太郎が練習相手になってくれることになったの!」
「へ〜。高浜くんってそんなに経験あるんだね〜。」
説明を聞いて理解した奏がおちょくるように言う。
「いや、まぁ、梓よりはあるかな〜!!」
「まぁ理解したよ。でもさ、それって周りの人や、ましてや藤原くんには絶対バレちゃダメじゃない?勘違いされて意味が無くなるかも…」
「そうなんだよ!!そこ!だから、朝普通に言おうとしたから焦ったんだよ!」
裕太郎が手を合わせて同意を求める。
「あ!!そういうことか!!!」
どうして裕太郎が止めてきたかやっと理解した梓。
「そういうことか!じゃないでしょ。ほんとに梓は天然なんだから。とにかく、理解したならよかったけど。学校ではそういう素振りは見せないこと!放課後とか休日にご指導してもらいなさい。」
「はい!わかりました!」
わかるように言ってくれた奏にアイコンタクトでお礼をする裕太郎。
「てことで、そろそろ教室戻った方がいいわね。」
「うん!あ!わたし職員室にプリント取りに行かなきゃだった!!ごめん先行く!」
「あら。クラス委員初めてのお仕事頑張って〜。」
急いで走って行くあずさの後ろ姿を見送る裕太郎と奏。