Pretend♡lover
電車の中。
お互い何となく黙ってしまう。
電車が揺れる度に肩が触れて、梓はそれにドキドキしてしまう。
「あの、、、。ごめんね、無言になっちゃって。僕女の子とこんなに至近距離になったの初めてで…」
「そうだったんだ!?わたしも、裕太郎以外の男の子は初めてで…」
「高浜とは本当に仲がいいんだね。」
「うん。いつも意地悪なこと言うし冷たい時あるし乱暴な時もあるけど、でも結局優しくて、困った時には絶対助けてくれるんだよね。なんだかんだ。」
梓の表情を見て、隼人は言った。
「付き合ってるの?」
「え!全然そんなんじゃないよ!なんで!?」
「ほかの人たちとは違う、二人の世界があるというか…。去年からずっとそう思ってたよ。みんなも付き合ってるんじゃないかって疑ってるし。」
「そっか…裕太郎とはね、ほんとにこんなに小さい時から一緒だったの!家が隣で腐れ縁よ!
親同士も私たちが産まれる前から仲良くてね!
だから、本当に彼氏とかそんなんじゃないの。」
「そうか…。じゃあこうやって話したり一緒に帰ったりしても大丈夫だね。さっきまでちょっと罪悪感あってさ。よかった!」
隼人は胸をなでおろした。
梓は隼人からの誤解が溶けて胸をなでおろした。