Pretend♡lover
「あれ?梓は??」
「あぁ高浜くん。それがね、さっき藤原くんと話してていきなり出ていっちゃったのよ。たぶんトイレかな。」
「は!?何かあったの!?」
「それが、よくわからない…。」
ガタッ!
勢いよく立ち上がり向かった先は隼人の席。
「おい。」
「高浜。おはよう。」
「おはようじゃねー。梓になんかしたのか?」
女子「どうしたのかな…喧嘩?」
女子「え、なに?」
裕太郎の怒り口調に静まり返る教室。
「僕は何もしてないよ。山本さんが、緊張するって言って走って行っちゃって…」
「…!?そうか…ごめん。」
裕太郎はやっちまったと言わんばかりの顔で席に帰ってくる。
女子「ねぇ、やっぱり…」
女子「絶対そうよね」
女子「好きだよね…」
女子「でも、あんな血相変えて守ってくれる人いいよねぇ〜」
クラス中の女子達がひそひそ話をしだす。
「やべえわ、課外学習の男子1人集めなきゃいけないのに聞きづらくなっちまった。」
「それなら大丈夫よ。私が昨日、リストに入れて提出したわ。」
「え!?いつの間に入れたの!?誰…」
奏がコピーしたリストを裕太郎に見せる。
「あ!黒崎か!」
「そう。みんな黒崎くんのこと忘れてるし、当日来なくてもリストに入ってればとりあえず大丈夫だからね。」
あまり来なくて影が薄い黒崎を、
うまい具合に利用させて頂いた。