Pretend♡lover









「あれ?梓は??」



「あぁ高浜くん。それがね、さっき藤原くんと話してていきなり出ていっちゃったのよ。たぶんトイレかな。」





「は!?何かあったの!?」



「それが、よくわからない…。」








ガタッ!





勢いよく立ち上がり向かった先は隼人の席。







「おい。」



「高浜。おはよう。」




「おはようじゃねー。梓になんかしたのか?」








女子「どうしたのかな…喧嘩?」

女子「え、なに?」







裕太郎の怒り口調に静まり返る教室。









「僕は何もしてないよ。山本さんが、緊張するって言って走って行っちゃって…」






「…!?そうか…ごめん。」







裕太郎はやっちまったと言わんばかりの顔で席に帰ってくる。









女子「ねぇ、やっぱり…」

女子「絶対そうよね」

女子「好きだよね…」

女子「でも、あんな血相変えて守ってくれる人いいよねぇ〜」








クラス中の女子達がひそひそ話をしだす。








「やべえわ、課外学習の男子1人集めなきゃいけないのに聞きづらくなっちまった。」


「それなら大丈夫よ。私が昨日、リストに入れて提出したわ。」



「え!?いつの間に入れたの!?誰…」








奏がコピーしたリストを裕太郎に見せる。








「あ!黒崎か!」




「そう。みんな黒崎くんのこと忘れてるし、当日来なくてもリストに入ってればとりあえず大丈夫だからね。」







あまり来なくて影が薄い黒崎を、
うまい具合に利用させて頂いた。










< 29 / 35 >

この作品をシェア

pagetop