Pretend♡lover
「さて、ホームルームおわり。みんな家に帰る。部活に行く。わたしは…委員会。」
教室から楽しそうに出ていくみんなを見送り、本日の集会のある図書室へ向かった。
「まだ20分もあるよ…どうしよ。」
「あれ、山本さん」
本棚の隙間から出てきたのは隼人だった。
「藤原くん!本読みにきたの?」
「うん。山本さんは…そっか!今日委員会か。」
「うん!何読んでるの?…うわっ難しそう。」
隼人が手にしてる本はとても分厚くて文字もぎっしりの本だった。
「エジプトについて勉強しててさ、ハマっちゃって。」
「藤原くんって頭いいよねぇ。わたしあまり勉強得意じゃないから羨ましいなぁ。」
「苦手な科目とかあるなら言ってよ!僕で良かったら教えるよ。」
「ありがとう!……あのさ、今朝、失礼な態度取ってごめんなさい。」
「大丈夫だよ。気にしないで。それより今日は?また昨日みたいな時間になるなら待ってるけど…」
「今日!?あ、えっと、裕太郎が待っててくれるんだよね…」
梓の帰りが遅くなると思い裕太郎が待ってると約束してくれてた。
「あ…そうなの?わかった。
高浜って男らしいね。いいな。僕もそうなりたい。」
「え!なんで!?藤原くんは、そのままでいいと思うよ。運動もできて頭も良くて優しくて頼りになるし…じゅうぶん男っぽいよ!!」
「え!?そ、そうかな、、、!?そんなに本気で褒められたの初めて…。」
「そうだよ!!本当に素敵だから自信もって!
……!?あ、あの!ごめんね!なんか上から目線みたいになって!!あ!もう行かなきゃ!」
またもや告白みたいな感じになってしまい、慌てて委員メンバーが集まる席に駆け寄った。
"男っぽい…素敵……"
梓から言われた言葉が頭から離れず、
ボヤーっとその場で考え込む。