Smile Days〜繋ぐ恋のバトン〜
「大丈夫か!」

松本君が血相を変えて寄ってきた

私は急いで水着の紐を結んだ

松本君は着ていたパーカーを脱ぐと、私にそっと掛けてくれた


「な、なんで助けてくれたの?」

「だから一人で歩くなっていったんだ!パーカーも着てっていったのに!」

私の質問は無視で、声を荒げていった

こんな松本君を見るのは初めてだ

「ご、ごめんなさい」

「でも、無事でよかった。本当に」

ギュッと抱きしめられた

泣きそうになったけど我慢した

なのに

「泣きたい時は泣いていいんだ。俺しか見てない。泣いてもいいよ。顔を見ないから」

そう言われた瞬間、私は何かが外れたように涙が出てきた

私は松本君の胸の中で泣いた

松本君は顔を見ずに、私が泣き止むまでずっと抱きしめてくれた

「落ち着いた?」

「うん、大丈夫。ありがとう」

「よし!じゃぁ行こうか!」

立ち上がった松本くんの腕を掴む

< 67 / 87 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop