クールな王子様に今日も恋してます〜この恋キミ限定〜
そっか…初めて知った。
家族とやり取りしている水瀬くんの姿。
私のせいで、お兄さんと仲が拗れないといいんだけど…。
「ハァ…なに簡単に兄貴に触れさせてんの。俺が来なかったら、どうしたつもり?」
眉間に皺を寄せる水瀬くんに呆れているような口調で言われてしまい、体を小さく丸めてシュンとなる。
「ごめんなさい…。逃げるタイミングが掴めなくて…」
「…本当、白咲さん無防備すぎだから!焦らせんなよ…兄貴に取られるかと思った」
少し息を荒くさせると頭を押さえながら、地面のコンクリートにしゃがみ込む水瀬くん。
ねぇ、水瀬くん。
こんな時ばかり助けに来てくれるの、反則すぎませんか…?
水瀬くんには美花さんが居て。でも今回は緊急事態だったから、水瀬くんは助けに来てくれた。
たったそれだけなのに、どうしようもないくらいに胸が今きゅんとしている。
あはは…ダメだな…本当。
水瀬くんの気持ちを抑えなきゃダメなのに、どんどん増してるんだ。