例えば、XXとか。
「 ねぇ いきなりだけど、あんた昨日彩膳にいたよね? 碧斗と滉とさ 」
「 あ~ 私も見たことあるなぁって思った 」
え… 私を?
昨日は彩膳にはいたけど会ってないよ?
「 あの、私を… 」
あ、碧斗と滉君といたのを見られたなら帰り?
「 あ、ごめん。俺達、彩膳で働いてんの、俺は幸哉でこっちは未沙 」
改めて紹介されて、戸惑う。
彩膳なら優雅もいるから。
「 私は伊織、友達の利香です 」
正直困った、彩膳の人に会うとは思ってもみなかったから。
しかも碧斗と滉といたのを見られていたのなら何かを聞いたのかもしれないと思うと複雑だ。
「 もしかして、碧斗か滉の彼女?」
聞かれてドキッとした。
どう答えるべきか、彼女だと胸を張って言いたい… その気持ちが先立つが、家族でる事実もある。
兄と言う現実を伝える事に抵抗感がある。
「 それよりそちらは?彩膳って従業員同士の交際はタブーのはず…… でも、ペアリングしてますね 」
利香……
返事に躊躇した私を見てか庇ったのか、利香は幸哉と未沙の手にある指輪に目を向けていた。