例えば、XXとか。

利香に聞かれた二人、未沙はサッと手を隠した。

幸哉は指輪がある手を見つめ、私と利香に見せた。



「 よく気づいたね、未沙とは付き合ってるよ。でも、店の奴等は知らないから秘密にしてくれよな 」



秘密……



未沙は幸哉に彼女だと隠さず告げた。

私にはそれが他人事でも嬉しいと感じて羨ましかった。



私はなぜ言えないのか……



利香は禁断の恋だと言う。

秘密の、恋。



「 未沙、この子達は言わないよ、でしょ?」

「 どうしよっかな~ 」

「 利香! 大丈夫、言いません、碧斗にも滉君にも… だから、互いに秘密です 」



私には秘密がある、碧斗と恋仲だという秘密。

今はまだ……

堂々と言えない。



「 昨日は大変だったな、碧斗と優雅が揉めて… あんな二人初めてだよ 」

「 揉めたんですか?」



まさか、私が原因?

それしか二人が揉める理由が……

どうしよう、どうしたらいいの……







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