例えば、XXとか。
月日を経て再会した恋人。
揺れるはずがないとは決して言えない。
心は完璧でないのだから。
「 亜稀… 俺には大事な奴がいる。だから2度と来るな 」
「 嘘よ、だって忘れてないでしょ? 私はずっと碧斗を思ってた 」
その真意わからない、理由を聞きたいとの思いがないわけじゃない。
知ると、亜稀に対しての気持ちがどう変わるか不安な碧斗。
「 また、年明けに会いに来るから 」
亜稀は碧斗の頬に手を添えて言った。
オーナー室から出た碧斗は何かを考え込んでいる。
そこへ滉が……
「 碧斗! お前ちょっと来いっ 」
強引に控え室に連れていかれ、怒りを露にする滉。
「 なんだよ、彼女って… 店長に聞いたけど別れてないらしいな、しかも現れて……
伊織ちゃんを泣かす事すんなよっ 」
「 うるさい… お前に関係ないだろうがっ 」
「 碧斗!!」
「 俺の問題だろ、ほっとけよ!」
亜稀とは終わった、亜稀が消えた日に……
俺はもう、伊織だけだ。
伊織だけなんだ。