例えば、XXとか。

石鹸一つで怒り心頭だった私が意図も簡単に溶かされてく。

何もいらない。

碧斗と私だけ…… 碧斗しか、いらない。



「 伊織… 」



甘く聞こえる声も、碧斗の腕に閉じ込められていれば頭の中を空にして……

奪われても構わない。



好き……



「 碧斗…… 」



急に碧斗が私を横抱きにした。

お姫様抱っこ…… それは初めての経験。

碧斗の目が、離さないと言ってるように見えた。


目を閉じて、碧斗の首に腕を回し体を寄せた。



碧斗……



運ばれる碧斗の部屋、ドアが開いた時インターホンが鳴った。


瞬間、碧斗が舌打ちした。


一気に恥ずかしさが込み上げ降りようとするも、碧斗はそのまま……



「 ねぇちょっと、碧斗っ!?」

「 邪魔する奴は…… 」



私を横抱きしたままドアを開ける碧斗。



い、やぁ!! こんな格好はイヤーッ……



「 滉! テメェだけは許さん!!」



こ、滉君っ…





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