例えば、XXとか。

玄関開ければそこに滉がいた。

しかも私の状態を見てパァーと笑顔を見せて……



「 伊織ちゃん! 何々、どうした、姫様抱っこされてすげーじゃん、イチャイチャしてんじゃん、良かったな~ 」

「 滉君、恥ずかしいからやめて… 」

「 邪魔しかしねぇよな、お前はっ 」



ほんと恥ずかしいから降ろしてほしいよ~



「 鍋でうどんしようぜ!」

「 うどん? まさかそれのために来たのか?」

「 一人飯は寂しいんだよ、マジで… 」



滉君、一人暮らしって事かな?

一人で食べるよりはいいけど、その前に……



「 碧斗、降ろして? 」

「 やだね 」

「 さ、うどん~ 土鍋はどこだ~ 」



勝手にキッチンで土鍋を探す滉と、私をなかなか降ろそうとはしない碧斗。

内心は発狂そのもの。

滉はまったく気にしないでいるのが、返って恥ずかしい。


やっと降ろされて滉が私に微笑む。

そしてキッチンから手招き。



「 滉君?」



なんか、嬉しそう……



「 伊織ちゃん、俺嬉しいわ 」

「 何が嬉しいの?」



私の頭を優しい手付きでポン、ポン、と……


「 碧斗が嬉しそうだからさ、伊織ちゃんがいてくれて俺幸せ!」



ん? 滉君が幸せ、なの?





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