例えば、XXとか。

私が眠る中、碧斗に滉が聞く。

それは亜稀の事……

会いに来ると言っていた亜稀、碧斗の心情が知りたい滉。



「 どうするんだ、彼女の事…… 」

「 別に、何も 」

「 会ってお前の気持ちが伊織ちゃんから少しでも揺れるなら、優雅に譲れ 」

「 な… 滉!」



聞き捨てならない滉の言葉に箸をテーブルに叩きつける。

滉は冷静に碧斗を見つめ言う。



「 優雅を見たろ、伊織ちゃんに会った時と、昨日の優雅じゃ違う。
いつも俺達が接してる本来の優雅だ……
ま、初めはお前からの紹介ってのが気に入らないのと、お前に負けたくないのと、お前を好きな伊織ちゃんに気づいたから……
そんなとこだろ。
今の優雅は伊織ちゃんにまっすぐ行くぞ 」


「 だから…… 譲れって? んな事するかよ 」

「 じゃあ彼女は、お前と別れたつもりなさそうに見えたけど?」




言い返さない碧斗……

滉は聞き直してみた、もし、伊織と亜稀の二人に何かあればどちらに先に行くかと。



「 彼女を選ばない保証がないだろ、碧斗お前、動揺したろ… わかるよ、でもな、伊織ちゃんが大事なら泣かすな 」



言われなくても…… そう思うも口には出さない、そんな碧斗の事をわかっている滉。

伊織が可愛いと、滉は言った。

滉が伊織を可愛いと構う訳も、碧斗は知っている。

だから、その点では滉に強く言えない碧斗……




「 碧斗… 」

「 心配すんな、亜稀との縁は切れてる 」





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