例えば、XXとか。
食べ終えた二人の前に寝ぼけ眼で起きた私に、滉が一番に笑った。
「 可愛い寝顔、ありがとな 」
そう言った滉をペシッと叩く碧斗。
私は笑った、すごく嬉しい時間だったと思える。
少しばかり穏やかじゃないのは碧斗。
そんな碧斗の前にトランプを出してやろうと言う滉。
やるなら鍋を片付けろと碧斗に言われてやる滉を手伝い私も片付ける。
「 トランプ久しぶり 」
「 伊織ちゃん何やりたい?ババ抜き?」
「 ん~ じゃババ抜き!」
「 負けたら一番に上がった者に褒美を与える、どうだ?」
ようは負けなければいい、勝つだけ。
左右するのジョーカーをいかに相手に渡すか、視線誘導もして、持っている事を悟られず取らせる。
これも遊びならではの駆け引き。
勝者は滉、そして私と碧斗の勝負で私が負けた。
苛立つ碧斗に滉が言った。
罰ゲームを決めたのは碧斗だからと、私には微笑んだ。
「 俺が王様で、伊織ちゃんが姫様、碧斗は下僕だな 」
「 何が下僕だ!」
「 王様から姫様に褒美を頂こうか、姫様と過ごす権利を我に与えてくれないか? 」
私が滉君と1日過ごす?
言われて碧斗を見ると、いいよ、とのわかる笑みを見せた。
「 はい、王様、よろしくお願いします 」