例えば、XXとか。

眠くなったら寝てていいと滉が言って車を走らせ向かう先はわからない。

でも40分ほどすると高速に乗った。

1時間ほどして高速から降り、しばらくして着いたのはお寺。

正龍寺、奥へ行くとそこは霊園。

トランクにあった花を手に行く。


静寂の中で祈る家族たち……


何か聞きたいのに、何をどう聞いていいか……



あ… 相楽って、滉君ん家のお墓……




「 来たよ、今日は可愛い友達と一緒に…… 」



滉君が墓に手を添え、水を掛け流し……

座り、手を合わせる。

同じように隣で手を合わせる。



「 伊織ちゃん、俺の両親と妹…… 」



そう聞いて滉を見ると、悲しい顔をしていた。



「 免許取り立てでさ、車を親父からプレゼントされて浮かれて… 高速に乗ってドライブしたんだ。
ほんと嬉しくて調子に乗ってた、だから事故に……
俺だけ無事だったのは、車が別だったからだよ、俺の後ろを親父の車が……
妹は高校生だった…… 」



滉が高速で走りたくて一人で行くと言うのを両親と妹とドライブがてらついていくからと…

それが不運の事故になった。

自分のせいだと責めながらも、大学生活を楽しめと言っていた両親の言葉に従い今に至る。

ただ、可愛いがっていた妹を死なせたと責めずにはいられないと……



「 俺、大学受かっても行けなくてさ… だから留年してんだよね、だから碧斗と同じだけど年はひとつ上 」

「 滉君…… 」

「 伊織ちゃんに妹を重ねてる部分はある、ごめんな 」



ううん、そう首を振った。

思わず滉の腕を掴んだ。


励ます言葉は悲しみを誘う……

でも、何かしたい… そう思った。



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