例えば、XXとか。

兄…… 私にも兄が出来た。

今もまだ現実視は出来ていない。



「 どうした?」

「 ……滉君、私が碧斗を好きでいていいと思う? 」

「 伊織ちゃん…… 」



だって、どうしても考えずにはいられないよ。



滉の温かな“お兄さん”な手。

これは碧斗と同じかもしれない、そう思うと胸が苦しい。


ただ、好き… それはきっとこの先の未来には続いていない。

まっすぐな赤い糸ではないかもしれない。

好きが強くなるばかりで……

変わらない思いが苦しい。



「 俺は伊織ちゃんの味方だから 」

「 滉君は優しいね、優雅君もすごく優しかったよ…… 」



碧斗も本当は優しい。

わかってる。

この思いがずっとずっと、ずっと続いていけばいい。


解けない糸であってほしい。


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