例えば、XXとか。
出会いは運命だった、家族になる過程で必要な出会いだった。
でも、私は恋をした。
引き返せない……
兄になった碧斗に恋をした。
「 伊織ちゃん、碧斗は大丈夫。伊織ちゃんも大丈夫だよ、二人が決めればそれが運命だから、わかった?」
「 ほんと、お兄さんだね 」
「 まぁな~ イケメン兄貴は忙しいよ 」
笑いながら冬の空の下を二人で歩く。
冬の花が迎えてくれる中で雪もちらついて、景色が変わる。
「 碧斗、どうしてるかな 」
「 寝てるだろ、じゃなかったら… プッ… アイツの事だから帰りをイライラしながら待ってるよ 」
あ~ そんな感じする。
碧斗っぽい。
帰ったら喜ぶかな……
私の顔見たら、どんな顔するかな?
それから三時間後にマンションに着いた。
滉はそのまま帰宅して、私は玄関を開けた。
その時の碧斗の顔が……
「 ただいま… 碧斗 」
少しはにかんだ私の笑みに、碧斗が抱きしめて、ギュッ… と抱きしめてくれる。
「 やっと、俺の腕の中だな… 伊織 」
“待ってた”
耳元で碧斗の言葉が、私を心ごと閉じ込めた。