例えば、XXとか。
キスひとつでどうにかなりそう。
きっと、私は碧斗にはずっと勝てない。
逆らえないのかもしれない。
それもいいかも、そう思う。
ゲームは中断……
床を背に碧斗の甘い、甘いキスを。
そして邪魔者はいないはずなのに、邪魔が入った。
それは碧斗の腹の虫。
「 今、アハハハ、やだ~ お腹空いたの?」
「 チッ… うどんは消化早いんだよ、滉のせいだ 」
「 じゃあなんか作るよ 」
頭をカシカシと掻く碧斗は恥ずかしそう。
そんな碧斗が少し可愛く見える。
自分の腹の虫が邪魔したとあっては責める相手はおらず、私は笑うだけ。
そして、キッチン。
私は困っていた。
料理が苦手だ……
漫画ではよく一人暮らしの女がいきなり豪華な料理を作っていた。
包丁さばきも見事。
真似が出来ない、頭が真っ白。
料理が思い浮かばない。
そして冷蔵庫には特に揃う野菜などはない。
迷いに迷って……
「 はい、お待たせ 」
「 何だ、これ…… 」