例えば、XXとか。

知り合いに会うこともなく、順調に参拝し無料で配分される豚汁やおはぎなどを食べる。

絵馬に願い事、おみくじ、碧斗と一緒にやる幸せな時。



「 帰ったらゲームな 」

「 またぁ? 負けるだけだからやらない 」

「 じゃイチャつくか 」

「 うん…… ええっ!? やだ、却下!」



笑う碧斗は冗談だと言うが、私には冗談には聞こえてない。

これでは神様が妬いてしまう。

そんな思いも碧斗には通じず、ハラハラする。



「 寒いな~ 温かいの手だけだし 」

「 手だけって、仕方ないでしょ 」

「 俺はいつでも体ごと温まりたいけどな 」



ほんと、なんでサラッと言うかな……

私はとっくに熱いよ、碧斗と繋ぐ手から熱くなってる。



「 なぁ 優雅、どう思う?」

「 優雅君? ん~ 優しいし、背が高いし、カッコいいし、紹介された時より印象変わったかなぁ 」

「 じゃ、滉と優雅ならどっち選ぶ?」



滉君と優雅君?

また、なんでそんなの聞くのかな……



「 わかんない、だって…… 」



私の前に碧斗がいるから。

他の誰かなんて、見ないよ。



「 ふーん…… そんなに好きか、俺が 」

「 なっ!? ち、違っ… そんな事言ってないから 」

「 顔に出過ぎ、俺を見るこの目にキスしたいね 」



バッ… バカ!!



「 させてやんない!」





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