例えば、XXとか。
イケてる男は女の視線を嫌でも誘う。
碧斗にそんながなくても……
私がトイレに行っている間、やはり混み合うので少々待ちになる。
その間に碧斗は声をかけられていた。
「 あの、すみません。モデルさんですか?」
「 写メ一緒にはダメですか?」
これに対して碧斗は、まさに彩膳流スマイルで答える。
「 すみません、彼女といるんでごめんなさい 」
ガッカリする女達、それでもイケメンを簡単には諦めない。
「 じゃあ、写メだけ、お願いします 」
「 良かったら番号を…… 」
しつこいにしても、碧斗はやはりスマイルでお断りする。
そんな碧斗のそばに私が戻ると去る女達。
きっと私が彼女で不満に違いない。
ただ、思う。
「 なんで碧斗なんだろ 」
「 何が 」
「 別に~ 」
私、なんでこんなに碧斗がいいのかな……
顔? それは確かに。
性格? まぁ 何気に優しいよね。
あと……
「 伊織 」
この声、好きだな。