例えば、XXとか。

好きの感情が高まる中で、夜は二人でリビングで寄り添い眠る。

夜明けの雪化粧。

窓枠にある雪に指先でハートを書いた。


どうか、溶けませんように……


そして三ヶ日が過ぎ大学が始まる。


だが、早々に私は通知を受け取る、それはとてつもない決断をするとこになる。

私は母と二人暮らしだった。

大学は多額の費用がいる。

母子家庭としての市からの援助はあっても、私は奨学金で大学には入っていない。

当然、行かせてくれたのは母だが、多額の費用が常にはない。

ましてや貯金などは……

前期分の滞納、母に問い詰められない。

何とか出来そうで、後先がない事も現実。

かといって、新しい父に費用を出してほしいとは言えない。

碧斗にも、言えるはずがない。

辞めれば母はきっと肩の荷が降りる。

初めからそうしていれば良かった……


苦渋の決断は、私自身で下す。


思うところを胸にしまい、当分は知られないようにした。

母が知るのは少し後の事で大喧嘩になる。


大学へ行くフリして毎朝行くのはバイト先のドラッグストア。

菜月や利香にはこの日、話す。



「 ……重い、重い話だわ 」

「 ねぇ なんで相談しないの?辞めた後じゃ遅いし 」



話を聞いた二人は何か出来たんじゃないかと悔やんでくれた。

特に夢があった訳じゃない。

ただ、何かが抜け落ちた感じがするだけ。



「 ごめんね、もう終わった事だから 」





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