例えば、XXとか。

和やか、そんな雰囲気で話していた時だった。



「 碧斗!」



耳に聞こえた碧斗を呼んだ声。

振り向くと、私と店和臣が話す所へ来ようとしていた碧斗が。

私が見たのは声に振り向いた碧斗の後ろ姿。



誰……



碧斗の前にいる女の人。

彼女の綺麗な笑顔が、胸騒ぎを感じさせる。



碧斗?




「 亜稀…… 」

「 言ったでしょ、また来るって。会いたくて来たの、嬉しい?」



ハッキリと聞こえない会話。

そして彼女、亜稀の肩に手を添えてその場から離れようとする碧斗。

呼ぼうとした、碧斗を……


でも、チラリと一瞬私に視線を向けて行ってしまった。



誰…なの?

碧斗、今の誰……




「 店長さん…… 」

「 ん? 何、どした? あ、デザートご馳走しようか、ね! 持ってくから待ってなさい 」



和臣に背中を押され席に戻る。

曇った顔の私に、菜月と利香が気づく。



「 ねぇ 伊織… どうした? なんかあった?」





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