例えば、XXとか。
「 失礼します、彩膳の橋野と言います、お食事中に申し訳ございません 」
「 あ! えっと… 会いましたよね? ね、伊織 」
そう、覚えてる。
ファミレスで彩膳の店員、幸哉といてペアリングをしていた。
「 覚えてます、ファミレスで会いましたよね 」
「 良かった、あのね、あなたにちょっと話があって…… 」
未沙に言われてトイレへ。
誰もいないか入念にチェックする未沙が個室内へ押し込む。
「 未沙さんですよね? なんて個室…… 」
「 ごめん、実はさ 」
「 あ、あの事なら誰にも言ってませんよ 」
「 うん、それもごめん、ありがとね。じゃなくて…… 何て言うか、碧斗の事なの 」
え… 碧斗?
未沙が幸哉から聞いた事を教えてくれた。
様子がおかしいと……
私にはわかる気がした。
そばにいた女の笑顔、拭えない。
あれは誰か、誰に聞けばいいのか……