例えば、XXとか。

帰り、マンションに送ってもらいながら聞かれた。

碧斗ととはどこまで恋愛が進んでいるかと……

素直にキスはしたと話した。

思い出すだけで、碧斗を窓ガラスに写し出してしまう。



声に、見つめて、意地悪な言葉に……

抱きしめては近づく碧斗の唇を、覚えていて切なく感じる。

甘い切なさをもっと…… 欲しくなる。



碧斗……




「 ねぇ 菜月、利香…… もし、彼氏が浮気したり二股だったりしたらどうする?」

「 え、何よ急に… 」

「 そうだよ、彼氏にそんな疑いあるの?」

「 ううん、聞いただけ 」



碧斗は私だけ、それが言えない。

冗談にも出来ないモヤモヤが増してくる。


何かを忘れてる気がする……



マンション前で二人に手を振り見送る。

そして歩き出すと、いきなり目の前にあったエントランスからの明かりが見えなくなった。



え…!?



そして、声が……



「 伊織ちゃん、おかえり~ 」



この声、滉君?



「 滉君な… 」



あれ?












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