例えば、XXとか。

碧斗は亜稀の事を考えないようにさせるため、話を無理にすり替えた。

わざと伊織に迫り、からかう。



「 なぁ 好きにしろって、なんなら脱がしてもいいぞ、ほら… 伊織 」



い… きゃあ~ なんなの、バカなの!?

脱がしてもいいとか、普通言わないし!

てか、それ以前の問題じゃないのっ



「 伊織、キスして 」

「 ……は!?」

「 なぁ、しろって… そしたら狼になってやるから 」



い、いやぁー!

碧斗が、壊れたぁー!



碧斗が狼になるなんて、それはちょっとダメ。

そんな時に限って都合いい言葉が口から出る。

それは、甘い危険の誘い。



「 碧斗! 私… 私、妹だよ? わかる? ね、ダメだから 」

「 へぇ… 妹ねぇ…… 一ミリも思ってないって言ったよな?」

「 そうだけど! でも、だってキスだけしかダメなのっ 」



あ…… キスしかダメって私、バカ。



碧斗の口元がニヤリと。

そして両足がグンッと引っ張られ、倒された。

見上げる碧斗の顔に、私に股がる碧斗。

身動きは無駄。



「 キスしかダメか…… キスで酔わせてやるから、覚悟しろよ、妹 」

「 碧… っ…… 」





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