例えば、XXとか。

私が仕事を始め、昼前。

優雅はサプライズ的に考え大学に来ていた。

伊織と会うために……



「 藍川短期大学…… どこにいるか 」



私の通っていた大学、料理が出来ない私でも将来あって損はしないだろうと単純に決めた大学。

栄養士の資格を取るため、でもどちらかと言えば落ちこぼれに近いだろう。

それでも、楽しく通っていた大学だった。

母も呆れるほど、私に料理の才能の欠片もない。


そんな中途半端な私が、今、碧斗に真剣に恋をしている。




「 あれ、君…… 」

「 あー、彩膳のイケメン!」



菜月の前に偶然現れた優雅。

彩膳のイケメン店員だと、顔を知っている者もいてあたりは騒然。

さらには菜月にも視線が集まる。

そんな中で菜月は調子づく。



「 な、何よ~ 来ちゃったの? やだもう、来ちゃダメだよ、注目されちゃうんだから~ 」

「 あ~ いや、伊織ちゃんは… 」

「 もうほら、行くよ!迎えだなんて気が早いったら~ 」




少々高笑いしながら菜月は優雅の腕を組んでササッと立ち去る。

優雅はただ連れていかれるまま。

外へ出るかと思いきや、菜月は構内にある大きな気のそばへと来た。



「 ここも目立つと思うけど?」

「 あはは~ 気にしないで。それで私に用事かしら?」

「 いや、君じゃなくて伊織ちゃん 」

「 は? 伊織~ ああ、だったら無駄足ね。伊織は辞めてるから 」




驚く優雅、菜月は知り合いなのに知らなかったのかと聞く。

優雅は伊織が今どこにいるかと聞く。



「 伊織なら、たぶん仕事だと思うけど… 」

「 わかった!」

「 え、ちょっと、もう!? 早っ…… 」



優雅は走って構内から出て車へ。

途中、伊織に電話するが出ない。



< 179 / 282 >

この作品をシェア

pagetop