例えば、XXとか。

優雅は菜月に肝心な事を聞くのを忘れていた。

やけに目に入るドラッグストア、どこの店舗にあるのかわからない。

仕方なく、碧斗に電話をかける。



「 はい、こちら碧斗のスマホです 」

『 その声… 滉か?』

「 お、優雅?何、どうした?」

『 碧斗は?』

「 秘密。で、何?」



舌打ちする優雅に、しっかり聞こえている滉。

伊織のバイト先の店舗はどこかと聞くとすんなり教えてくれた滉。

直後切れた電話にムカついていると、ハッとした。



「 やべ…… 優雅に言っちまった 」

「 滉、調べ物終わったか?早く返せ 」

「 碧斗! あ~ 手は洗った? なんか飲む?」



挙動がおかしい滉を睨むと、手を上げてすまんと謝る。




「 滉… お前はまたっ…… 口軽すぎだろ 」

「 ついさぁ 伊織ちゃんの名前聞いたら 」



呆れて背中を殴る碧斗。

優雅が伊織に会うとわかっていてそのまま大学にとどまる。

滉が行かないのかと聞くが行かないと言う。



「 伊織なら大丈夫だ、優雅は手は出さないよ 」

「 なんで言い切れる?俺は心配で心配で、いっそ俺が連れ去りたいよ 」

「 バカとしか言いようがないな 」



内心は気にしている碧斗でも、伊織の首にはある物が……

言わば、お守りだ。



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