例えば、XXとか。
碧斗が何とも言えない顔をし、亜稀は微笑み顔。
「 碧斗 」
「 亜稀…… どうしてここが 」
「 片岡 成吾、彩膳オーナー、父の教え子で知り合いなの。
だから、教えてもらったの… 碧斗とやり直したいから 」
聞きながら亜稀の手が胸に当てられ押され……
バタン、と閉まるドア。
亜稀の腕がゆっくり、碧斗へ……
「 碧斗… 拒まないで 」
その頃、マンションに到着した私は優雅の車を降りた。
「 ありがとう、優雅君。お寿司もごちそうさまでした 」
「 いいって、また行こう 」
優雅は本来なら引き留めるべきところ。
今、部屋に行けば大変な事になる、それを知った上で何も言わない。
“知り合いの娘がうちの碧斗と付き合ってるらしくて、住んでるとこ知りたいって言うから教えたけど 規則には反しないからいいだろ”
そう聞いて驚いた優雅。
知りながら言わないのには優雅に下心があるから。
碧斗との仲を認めながら上部だけ。
伊織を好きな優雅には、好都合の状況だ。
ごめん、伊織ちゃん……