例えば、XXとか。

優雅は華央に誰と聞かれ口をつぐむ。



「 誰も、俺一人暮らしだし 」

「 嘘つきだね、優雅…… 靴があったよ 」

「 …っ 」



見られていた、優雅は華央から視線をそらす。



「 彼女?」

「 ……違う、ただ俺が好きなだけだ 」

「 そ…… じゃあ 私と同じだね 」



同じだとの言葉に華央を見ると切なそうに優雅を見つめている。

そして、少しだけ微笑み先に帰るからと行ってしまった。

追うにも優雅は行けなかった。

華央の告白だと、はっきりわかったから……



優雅は少ししてからコンビニを出て自宅へと帰る。

部屋に入ると、シャンプーの香りが鼻をくすぐる。



「 おかえり、優雅君。お言葉に甘えてシャワーを借り… 」



え……



優雅は伊織を抱きしめていた。

感情のままに……


男にとって、揺さぶるものだった。

自分が使っているボディーソープ、シャンプーなどの香りが、好きな女から香る。

まるで、自分が使っている物とは思えないいい香りに揺れた。



「 優雅君、私まだ、髪が濡れてて…… 」



どうしよう、急にこんな……

何かあったのかな?



「 ごめん、少しだけ… 」



“このままでいさせて”



微かな声……
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