例えば、XXとか。
和臣はペンをクルクル回しながら滉に話す。
「 なぁ滉… 碧斗の恋はまさに紙一重だ、わかるだろ?妹が好きでそれを貫こうとしてる。
親には知られてはならない、きっと知られても碧斗は諦めないだろ……
諦めるとすれば、妹の方だろうな。
けど、二人には道がある、碧斗が諦めない限りはな 」
滉は力なく、そうですねと返事をした。
「 碧斗は例えたら蛇だ、妹はハムスターだな 」
「 いや、例えにすら意味なしって気がしますよ、ほんと 」
「 まぁ アイツら兄妹って言ってもまだ違うだろ、そう心配するな 」
そうだとわかっていても、行く末きになる滉。
なぜそんなに気にするかと不意に聞かれた滉は椅子に座る。
「 店長、俺は碧斗と同じなんですよ…… 」
何を思い、一点を見つめる滉。
和臣は何も聞かない。
俺は、美紅を…… 失った。
だから碧斗、お前には失くしてほしくない。
大切な誰かが家族で妹であっても、好きなら絶対に……
「 滉、暇なら付き合え 」
「 嫌ですよ 」
「 いいだろ、新しいメニュー考えろ 」
「 嫌ですよって 」
しつこい和臣に捕まった滉は一緒にメニューを考える事になってしまった。