例えば、XXとか。
私にも彼氏がいたことがある。
あれは高校1年の終わりに告白されて嬉しくてドキドキして……
でも、2年の春には終わってしまった。
理由は彼に好きな人が出来た、それだけ。
私も私で、本気の恋じゃなかった。
「 伊織~ ねぇヤバくない?イケメンいるけどもう隣が埋まってるし 」
「 そうみたいだね…… 」
店員に案内された席では遅刻した分、出遅れたのを実感した。
イケメン揃いとなれば女の取り合いとなるが、それにすら参加不可能。
利香はやる気が失せたといい、帰ると言い項垂れてしまった。
一緒に店から出ると、利香に電話が。
「 えー、マジなの? わかった、帰りますよ 」
利香は家からの電話で緊急の用だったらしく急いで帰って行った。
私はと言うと適当にぶらつきながら書店に入った。
そこで私はある人に目を奪われた。
その人はコンパにいたイケメンよりも目を惹いた。
うわ…… 写メしたい!
こんなイケメンなかなか出会えないよ。
この辺の人かな……
あ~ いい! お知り合いになりたいよ~
そして彼が見ていた本を棚に入れ、私の方へと向き来る。
一瞬、視線が合わさった。
その時のドキドキが怖いくらいだった。