例えば、XXとか。
滉や碧斗にも私の提案を伝え、撮影は翌日となり、二時間貸し切りで撮影。
私と碧斗が着たドレスのサイズを事前に合せ、教会へ。
急なお願いにも快く受けてくれた結婚する二人に、碧斗、滉、父と母も挨拶をした。
撮影スタッフに囲まれて緊張でいっぱい。
滉は残念がっていた、教会での写真を楽しみにしていたと……
碧斗は少しホッとしてるみたいだった。
控え室。
ドレスを着た新婦の奈々美。
緊張してうまく写真が撮れなかったらどうしようと不安がる奈々未。
「 奈々未さん、本番はたぶんもっとだと思いますよ、今日は親族の人もいないし、写真を記念にとってもらいましょ、気楽に 」
「 …そうだよね。私たちね、6年付き合って、やっとここまで来たの。
誰も知らない話を聞いてくれる?」
奈々未から聞いた秘密の話。
それは、私が涙するほどの悲しい話。
それが今の幸せに繋がっていると私に未来はあると信じさせてくれる話だった。
奈々未は彼、彰人と交際中2年目に妊娠。
まだ高校卒業目前だったため、若すぎる、生活力がない、両家の猛反対で奈々未はひとつの命をショックから失った。
あまり辛い出来事に奈々未は一月入院、両家は二人の思いを理解し、大学を卒業まで待てと、互いを思いやれるならその時は結婚していいと。
それから3年の月日を二人で一緒に乗り越え、ずっと一緒にいることを望んだと……
そして今、奈々未の笑顔があると。