例えば、XXとか。

半笑いで涙を堪える彰人に、奈々未が微笑んでいる。



「 本番は私が泣くんだからね、彰人 」

「 パンダにはなるなよ 」

「 もう!」



なんて可愛い二人。

失礼ながらそう思った。

年は近いのに、しっかりしていると感じた。

確かな絆があると。



写真撮影が始まり、緊張していた二人も、盛り上げ役になった滉が笑顔にさせて緊張をほぐし、撮影は順調に進んでいる。



「 伊織 」

「 碧斗… 滉君といなくていいの?」

「 なんで俺がっ… それより良かったのか、ドレス着なくて 」

「 うん、奈々未がすごく素敵だし、私じゃ役不足だよ 」



これで良かった。

私にはまたいつか、こんな日が来る。




「 あ、キスしろって滉が二人に言ってるぞ、バカだなアイツは 」

「 あ~ さすが滉君だね。でもほら、照れた感がまたいいかも、寝室はここってアピールパネルになるかもよ 」

「 なんだそれ、滉には似るな 」



そう言ってる碧斗の顔は優しい笑みが見えてた。

二人を祝福してる、そんな穏やかな顔。



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