例えば、XXとか。

写真撮影が無事に終わり、父と母は写真を選ぶため父の会社の事務所へ奈々未と彰人を連れていく。

碧斗は滉と祭壇前にいる。

すると滉が私を呼んだため行くと、左にいた碧斗を右へ、私を左へと立たせた。



「 滉君?」

「 チャペルウェディングだよ、讚美歌も無理で聖書もないし、牧師祈祷もいないけどね 」



滉君、詳しい……



「 どこで調べたんだ?」

「 ま、俺外で待ってるから二人でどうぞ 」



滉が出て行くと、静かで自分の心音が碧斗に聞こえるんじゃないかと思うくらいだった。

碧斗の手が私の手に触れて繋ぎ、緊張が増して心臓が跳ね上がる。



「 結婚式の時、二人で誓い合うだろ、あれ何て言うんだっけ?」

「 ん、私もよくわかんない…… 」



何、まさか誓いの言葉知ってたら……

誓う?

まさかよね、神様の前で兄が好きですってバレバレだろうし……



「 誓いの言葉ははっきり言えないけど… いつか、今と同じ光景が見たい。
隣にいる伊織と一緒に、誓いを立てたいって思ってる 」



泣かずにいられない言葉をもらった。

運命があるなら、それは家族になるため兄妹として再会してしまったこと。

その、運命を変えられるなら……

どんなことでも……




「 碧斗…… 」

「 泣くの早いだろ、ほら、隠してやる 」



碧斗の腕にしっかり包まれて、少しだけ涙した。

いつか、きっと……

奈々未と彰人のように、きっと……




「 まだぁ? 遅すぎ!寒いんだからな~ 」



滉を待たせていた事など、すっかり忘れてしまっていた。






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