例えば、XXとか。
碧斗の大学卒業まで、私は一人だけ事実を知らないままヤキモキする事になる。
それでも構わない。
隣に碧斗がいるから。
それは変わらない現実。
父と母を囲み賑やかな祝福に囲まれる中で、碧斗と私はみんなより一歩後ろで見ていた。
そして、碧斗は私の手を繋いでいる。
みんなには見えない。
後で繋いでいるから……
この手は、互いに離さない。
「 伊織 」
「 ん?」
「 愛してる 」
私もだよ、碧斗……
繋いだ手は、離さない。
この思いは誰にも、止められない。
私と碧斗は…… XXだから。
―完。―